

ウォルター・ボッセはその生涯で8,000種の作品を残したと言われています。その中には、初期のアウガルテンでのアールデコ様式の“グロテスク・フィギュア”のように芸術性と希少性が非常に高く、美術収集家以外ではコレクションが不可能な作品もありますが、50年代以降に制作されたセラミックやブラス製の動物のフィギュアや動物をモチーフにした日用品などは市場に出た数も多いため、半世紀を経た今でも比較的手に入りやすいといえます。また、正式なライセンスの元でオリジナルの鋳型を使用したリプロダクションも行われていますので、半世紀前のフィギュアが新品の状態で入手可能です。
![]() グレイズ加工されたセラミック(陶器)フィギュア |
50年代以降にドイツのカールスルーエにあるマジョリカ焼き陶芸工房(State Majolica Works)より販売された作品には、多くのセラミック製の動物のフィギュアが含まれています。初期のクフシュタイン期に既に手がけていた象などの動物たちの再デザインも見られますが、このマジョリカ・ボッセの特徴としては、陶器製のフィギュアをガラス質の透明な釉で覆うグレイズ加工がされていること(その加工によって表面にひび割れ模様ができます)、動物の目が単純なホール(穴)で表現されている事などが挙げられます。しかし、これらの工芸的な手法はまったく忘れて魅せられてしまうのは、その“可愛らしさ”です。本来動物には備わっていないはず喜びの「表情」が造形として表現されているのは見事の一言に尽きるでしょう。 |
マジョリカから販売された作品には、様々な種類の刻印が用いられ、刻印がまったく無い物も多く存在します。また、同じデザインのモデルが長期間にわたって生産、販売されているため作品の時期を年単位で確定することは困難であまり意味の無いことと思われます。この時期にマジョリカを通じて市場に出た製品は、一般的には「カールスルーエ・マジョリカ 1953-1979年」と括られているようです。当店では、この時期のマジョリカ・ボッセを随時ご紹介して行きますのでお楽しみに!
ウォルター・ボッセは、戦後に急速にメタル製オブジェに傾倒して行きます。理由はいくつかあるようですが、陶磁器の人気がなくなってきたことや、同年代の芸術家フランツ・ハゲナウアーに感化されたことが挙げられています。この時期、ボッセは多くのブラス製の作品をデザインして生産していますが、工房の元従業員で恋人と言われるヘルタ・バラー(Herta Baller)の名前を冠した「BALLER AUSTRIA」と刻印された動物の小さなフィギュアの一連のシリーズを彼女の店(後に会社となる)を通じて販売しています。
![]() ブラック・ゴールデン・動物フィギュア |
戦前、戦後とも多くの作品を精力的に発表したボッセですが経済的にはまったく成功することはなかったようです。1953年には債権者から逃れるようにウィーンを離れ、後にそのまま晩年を過ごす事になるドイツのイザローンに移り住んでいます。イザローンでも、金属製(主にブラス、後期にはアルミニウムなど)の製品を発表しています。その中には今日でも有名な「ハリネズミの灰皿」がありますが、ボッセの晩年の作品でひときわ輝きを放つのは「ブラック・ゴールデンライン」と命名されたブラス製の動物の極小フィギュアです。 |
ブラック・ゴールデンラインは、鋳造されたブラスのフィギュアにまずは真っ黒なペイント(古色付けと言って金属が腐食したような味わいの塗装)を全体に施します。そしてここからがボッセらしい味付けなのですが、部分的に黒い塗装を剥がして行き金色に輝くブラスの地肌が表に現れるようにします。こうして出来上がったフィギュアは黒と金色のコントラストが素晴らしくシックでありながら、ボッセの動物に対する愛情が込められた造形がかもし出す温かみのあるレトロ調を帯びた作品になっています。
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今日では、この時期の動物フィギュアの生産に使用されたオリジナルの型を元にしたリプロダクションがウィーンで行われており、新品のフィギュアがでお手ごろな価格で入手可能です。当店は代理店として、正規ライセンスを持つメーカーより直接仕入れ、一品ずつ検品した上でお客様へお届けしています。刻印は、他のボッセの作品と同じく(コレクター泣かせなのです・・・)様々で「BOSSE AUSTRIA」、「BALLER AUSTRIA」や刻印無しになりますが、すべてウォルター・ボッセの手になる作品ですのでご安心ください。 |
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マジョリカ・ボッセのセラミック製(陶器)の製品は比較的年代が新しいため保存状態の悪さによる欠けなどの損傷は少ないようですが、グレイズ加工により生じているひび割れ部分に経年変化によるくすみや変色が見受けられます。問題となるのは、販売当時の出荷基準自体が甘いことです。陶器の表面に突起が生じていたり、焼きムラによる変色などはごく普通にあります。元々ティーカップなどの高級な陶磁器のような検査基準の元に生産、販売された製品ではないようです。従いまして、当店でも完全な状態の製品を追い求めるのではなく、机の上において日常的に眺めるオブジェとして十分な品質の製品であれば、貴重で価値があるものと判断して仕入れて販売をいたします。机の上などにちょこんと置くとかなり可愛いとの評判です。
リプロダクション製品のブラック・ゴールデンシリーズは、新品ですが、素材や製造過程により以下のような状態が生じています(また可能性があります)。ブラスの地肌が表面に現れている部分は、手作業により塗装を擦り落とすことにより表現されていますので、宝石などの鏡面仕上げのようにまったくのつるつるな状態ではなく、ヘアライン程度のかすり傷が生じています。また、手作業ゆえ一品一品で擦り落とすため面積などが異なります。鋳造工程で表面に極小の穴が生じている場合があります。黒色塗装による古色付けは、文字通り古びて錆付いた感じを演出する手段としての塗装ですので若干のムラなどが生じる可能性があります。新品とはいえ、当時の鋳型と製法による工芸品ですので宝石や装飾品のレベルの品質ではありません。本来、ペーパーウェイトなど実用的な要素を持った、とっても可愛いフィギュアですので、飾ったり手のひらに載せて眺めたりして気軽に楽しんでください。
商品ページの大きさにの表示について:高さ、横幅、奥行きのいずれか一番長いところ(しっぽ、耳、台座なども含む)を計測して表示しています。
以上をふまえた上で、ご注文いただけますようお願い申し上げます。
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