

1960/70年代、ウォルター・ボッセの後期の作品でアルミニウム素材が用いられています。
素がシルバーのアルミニウムの上に黒い塗料を古色付けし、グラインダーで削って素のシルバーを露出させる手法がとられていて、同じモチーフでも少しずつ削り方が違っています。アルミニウム素材ですが、ペコンペコンしているような薄いものではありません。発売当時はプラスチックケースに入れて販売されました。
製法自体はそれほど高度のものではなく、研磨や鋳造技術もそれほど洗練されていないのですが、ボッセのデザイン力で補ってあります。また価格的にも魅力ある物になっているかと思います。
このアルミニウム製の作品誕生にはこんな経緯がありました。
ボッセはブロンズ製のレリーフを扱う会社と新規事業を立ち上げました。ボッセはこの会社にモデルの型を作らせておいて、支払いの話になると「そんな金額は払えない。」と言い出しました。
この会社の持ち主は一向に埒が明かないボッセとの交渉を断念して、クーン鋳物工場へ全て売却します。このクーン鋳物工場では、コスト面からアルミニウムを素材に使用するという、ボッセの作品としては新しい試みをします。
そんな中、ボッセがクーン鋳物工場が自分の作品を販売していることを知り、モデルの売上げに対するライセンス料を請求してきます。クーン鋳物工場は買った時の経緯から、ボッセへのライセンス料金の支払いを拒み、ボッセは法的に販売中止命令を訴え、裁判に持ち込んだため、クーン鋳物工場は問題が解決するまで一切の商品を販売ができなくなりました。
そして、1979年のボッセの死。ボッセには相続人もいなかったため、この商品は宙に浮いたままになってしまったのです。
今回ご紹介する商品が、販売中止される前の物か後の物かは分かりませんが、いずれも未使用品です。ケースは付属しておりません。
ひとつひとつ手作業での製造工程のため削り部分に若干の個体差がありますので、
発送させていただく商品が画像とは若干異なる場合がございます。
ご了承の上、ご注文いただけますようお願い申し上げます。